2013年 06月 01日
キング・オブ・栓抜き |
お家を空にするというお宅を伺った際には
必ずお台所も拝見させていただいております。
食器はもちろんですが、個人的に楽しみなのは金物の類。
長くお住まいだったお家には今では荒物屋さんでさえ見ることがない
稀少なものがあったりするからです。
そんな金物の中でも
個人的にひときわときめくのが栓抜き。
中でもビールメーカーのノベルティものがストライクで
見つけたときはちょっと
いや、かなりうれしかったりします。
当時のノベルティについてお話したいことは山ほどございますが
ハナシが長くなりますので本題に入りましょう。
さて、この栓抜きであります。
長さ20cm、重量211gというサイズは
そこらの栓抜きがミニチュアに見えてしまうほどの巨大さ。
かねてより個人的に「キング・オブ・栓抜き」と
ランキングの頂点に位置づけていたのが
このサッポロビールの栓抜きなのであります。
どの栓抜きも片面にビール
裏には同社の清涼飲料水のロゴというパターンでした
昔はお酒といえば酒屋さんが独占的に販売していたもので
コンビニやスーパーで買えるものではありませんでした。
もちろん、今のような量販店もなく
ビールなどはいちいち酒屋さんに配達してもらい
たまに販促グッズを置いて行ってくれたりしたものです。
グラスや栓抜きなど必要以上にあったところでジャマなだけで
ましてやメーカーの名入りのものなど
いらないといえばそうかもしれず
だからこそデッドストック品が巷に流通し
手前どももこんな商売をさせていただいているワケですが…(^^;
さてそれはともかく、このサッポロの栓抜き
持ち手の端っこにあるのは何でしょう?
と、ここで即答されたお方はご同輩。
そうそう、そうなんですよね
これは缶に穴を開けるためのもの。
なぜ穴を開けるのか…というところ
ジュースやビールなどの缶飲料といえば
今でこそプルタブが当たり前ですが
昔はいちいち穴を開けなくちゃ飲めず
使い捨ての器具がついているものもありましたね。
食品の缶詰でさえプルオープンが主流となった今日では
缶を切るのはもちろん穴を開ける必要は
ほとんどなくなってしまいました
と、そんな時代の証人のようなキング・オブ・栓抜き。
なかなかお目にかかれないものだけに
売れてほしくないような、でもどなたかに使っていただきたいような
ちょっと複雑な気持ちでございます (^^
by sparrowhouse
| 2013-06-01 11:31
| アンティーク